2015.06.03
感性が育つピアノ曲集から
先週末は、近隣のいくつかの小学校で運動会が行われていました。
レッスンでも、暑さの中での運動会の練習で、少々疲れの見えた生徒さんもいましたが、
終わった今週には、楽しかった、勝ったよ、など次々と嬉しい報告を聞かせてくれています。
8月の発表会に出演する生徒さんは、いつもの曲よりも、長く多彩な曲の練習に取り組んでいるのですが、今は、基礎固めの練習をしっかり行う時期になります。
やがてやって来る発表会本番に、成果が最大限に発揮できるためには今の準備期間を大事にコツコツ積み上げていくことが大切です。
1曲を完成させることは、基礎から積み上げていく建築と共通しているともいわれています。
両手で弾けるようになってからも片手ずつの正しい譜読みを再確認しながら、ゆっくりのテンポに落として練習すると良いですね。
その様な練習を地道に行うことで、暗譜が確実に出来ることにもつながっていきます。
ところで、ピアノを始めて間もないお子さんにとってイメージや感性を豊かに持てるような、曲は、それだけで、楽しさを感じて取り組むことが出来ると、思いますが、そんな、楽譜を見つけました。
「黒猫のおしゃべり」
エリック・バウムガートナー著
全音楽譜出版
現在もアメリカで作曲家、アレンジャー、教師として活躍している著者は、クラシックばかりでなく大学でジャズを学んだことで、ジャズやロックなど幅広いジャンルを取り入れた楽しい曲を多く作曲しています。
この曲集は、ジャズや、ロック、色々なダンス音楽のスタイルを取り入れた曲が多く身近に「リズムのノリ」が学べます。
タイトルの「黒猫のおしゃべり」という曲では、2匹の黒猫ちゃんが旅をしながらふざけておしゃべりしている様子を右手の1匹と、左手でもう1匹をイメージしています。
その他にも「野球を観に行こう」という曲ではファンファーレのようなメロディ―が、盛り上がって来る応援のイメージを感じさせ、野球好きの男の子には、楽しんで弾けそうです。
発表会小品集「ぷち あ・ら・かると」
カワイ出版
こちらは、発表会やステージで演奏できる、ロマン派から現代までを色とりどりに集めたピアノ小品集です。
発表会では定番曲の同じ曲が、他の生徒さんとかぶってしまうこともありますが、この曲集では、日本で初めて紹介される楽曲やあまり知られていないキラッと光る楽曲がほとんどです。
様々な国の作曲家による作品に触れることで音楽の時代様式や様々な国の文化、音の響き、リズムや、ニュアンスを感じ取ることなどを学べる曲集です。
生徒さんたちの感性を刺激して、イメージ豊かな音楽を体験しながらピアノを弾くことが出来ることに役立ちそうな曲集です。
題名も「おまわりさんと泥棒」、「お人形がおしゃべりするよ」、「いたずら好きの女の子」、「金色の魚のダンス」など子供の想像を掻き立てるものが多いので、普段のレッスンにも楽しく使えそうです。
経験したことはもちろん、想像の世界やまだ知らない国など、イメージ豊かな曲に触れていくことで感性を豊かに育んでもらいたいと思います。