2021.03.21
ピアノでうたえるように 導入期のレッスン
3月は、卒業の季節ですが、頑張って来たピアノも区切りで卒業される生徒さんや、希望を持って新しく、始められる生徒さん、出会いと別れの感慨深いこの頃です!
ある外人のピアニストの先生のスクールを受講していますが、
「ピアノでうたう」ということが、ピアノを演奏するうえで
最も大切なことだと、教えていただいています。
ピアノは、鍵盤を押せば、音が出る楽器です。
曲の一つ一つの音を、ポツポツと、ただ考えずに、
楽譜通りに弾いたとして、間違わなければそれで良いと、思う方もいるかもしれません。
しかし、それは、音楽ではありません。
管弦楽器や人の歌声の様に、呼吸を取り、
音から音の間のつながりや、休符の大切な間などを、深く感じてこそ、
初めて、音楽を演奏するということになります。
これは、小さい頃から心掛けていけば、難しい事ではないのです。
幼児の生徒さんでも、短い4小節の、片手の曲を、
ピアノだけを弾いた場合と、歌詞や音名と一緒に、歌いながら弾いた場合では、
後者の方が、断然に、表現が豊かな音に聴こえてきます。
それは、技術ではなく、音楽を、歌と連動して体から自然に感じて、
弾いているからだと思われます。
導入の幼児の生徒さんには、
必ず、歌詞のついている教本で楽しい歌詞と、音名を声に出しながら
弾く練習をします。
又、体の力を抜くこと(脱力)も、将来の上達に大切な事なのですが、
歌を感じることで、息を吸う吐くなどの呼吸が、
体や腕の脱力につながることになります。
ただ指先だけで、弾く事ではなく、表現豊かに弾けるために、
幼いころからの、様々なアプローチのレッスンで、
積み重ねで、身についていくものですから、
この年齢頃の生徒さんには、先を急がず、以前から丁寧にレッスンを行っています。
ご家庭でも、ピアノの練習だけでなく、ご家族と音楽を楽しみ、
美しい曲を、聴く機会をたくさん、作っていただくことが、
表現豊かなピアノ演奏が出来るようにもなる事でしょう。
心の表現が出来る、歌心のある、演奏は、
曲の難易度が上がる、大人になればなるほど、出来難くなるものです。
生徒さん達が、音楽を、楽しみ、
音やハーモニーの響きを美しいと感じる心を育て、
それをピアノの音に伝えらえる、
「うたうピアノ演奏」が出来るようなレッスンをこれからも、目指していきます。