2019.12.03
全日本学生音楽コンクールを聴いて
11月28日から12月4日まで、みなとみらい小ホールで行われている
第73回全日本学生音楽コンクール全国大会の
ピアノ部門・高校生の部の横浜市民賞選定員として、
縁あって参加してきました。
市民賞とは、翌年以降に、横浜の各地域で
演奏活動の機会を受けることが出来るという、
若い有望な演奏家を応援する目的で、選定される賞です。
これからの、若い学生の人生をも左右する責任ある賞でもあるので、
聴いていても、緊張感がこちらの客席にも漂います。
学生のコンクールでは、日本最高峰の頂点であるだけに、
高校生とはいえ、大変レベルが高く、
1音1音に魂が込められた、鍛え抜かれた見事な演奏を、
13名の参加者から、聴かせていただきました。
学生がピアノという1つのことに打ち込み、
自身のすべてをかけて演奏している意気込や気迫が、
こちらにも、どんどん伝わって来る時間でした。
1位から3位までの受賞者のほかに、横浜市民賞に選ばれたのは、
ドビュッシー:12の練習曲から第11番「組み合わされたアルペッジョのための」と、
リスト:巡礼の年報 第2年への追加「ヴェネツィアとナポリ」から「タランテラ」
の2曲を演奏した、
京都市の高2、袖岡英都さんに決まりました。
ドビュッシーの繊細なテクニックのタッチは美しく
又、リストは、躍動するリズム感が、若さと勢いを感じた演奏で、
これからも叉、この横浜で、さらに磨かれた演奏を、聴かせていただきたいと思います。
コンクールという一発で、結果が出てしまうものを目指していくのは、
本当に、本人のどれだけの努力が、あってこそのことですが、
学生の場合は、本人、指導者、保護者の三位一体の関わりが、
上手くいっていることも、必然なことでしょう。
指導者は、色々な方面から、常に考えて観察して導き、
それが、上手く生徒にも伝わって、自分のピアノの追求をして努力していく過程が、
結果よりも大事なことだとも思います。
それを、日頃から、励まし支えて頂く
保護者の方の役割も、並大抵では成り立たないのではないでしょうか。
今はコンクールも数多くありますが、
改めてその選択や導き方について考えさせられた、機会だったとも思います。