2018.08.20
電子ピアノでの練習
今や、電子ピアノでの練習はご家庭の事情により、当たり前のようになって来ています。
最近は、アコースティックピアノに近いタッチや、
音源の優れた電子ピアノも作られています。
ただ、電化製品に変わりはないので、長く使用していると、
音が出なくなった、鍵盤が上がらなくなったなどの故障は、つきものです。
そのような場合は、修理と点検を、必ず行うことが大切です。
電子ピアノで、練習している生徒さんのレッスンで、気になる事は、音量の問題です。
いつも、音量を半分ぐらいで調整して、練習し続けていると、
弊害が出る事が多く上達にも、非常に影響してしまい、残念です。
ピアノに限らず楽器を演奏するという事は、
強い、弱い等、さまざまな音量や、音色などを、
自分の耳で聴きながら表現していくことにより、完成していくものです。
特にピアノは、押せば必ず音が出る楽器ですので、
音色や音量等に、気を払うことなく弾いても、それが、当たり前になってしまいます。
極端に言ってしまえば、割りばしで押しても、猫が弾いても、音は出てしまいます。
幼いころから、音量を半減して練習し続けていると、ダイナミックな音の広がりや、
繊細な弱い音の違いの表現が、なかなか体感出来ていないので、
進度が進むにつれて、完成度が難しくなって来ます。
教室ではグランドピアノで、腕や体の使い方を、駆使しながら、
音量の幅を広げる、レッスンをしていくのですが、
年齢が上がるにつれて、ダイナミックな音を出すことに、ためらいを感じてしまい、
曲の完成度や、表現が、狭まってしまうことも、事実です。
週に1度のレッスン時間に、体感してマスターできたとしても、
ご家庭に帰ってから、音量を半減した練習に戻ると、
身につかないのは、とても残念なことです。
時々、ヘッドホンを、利用することも、効果的でしょう。
住宅事情など一概には、無理なこともあるでしょうが、
時には、最大限の音量調整での練習で、
充実したピアノを弾く楽しさと上達を、感じてもらえたらと思います。