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未来のピアニストを応援

毎年11月末から12月みなとみらい小ホールで行なわれている第67回全日本学生音楽コンクール全国大会。今年も横浜市民賞選定員の一人として小学生の部に参加してきました。

 このコンクールは国内最高峰の学生コンクールで、過去には舘野泉さん、宮沢明子さん、仲道祐子さんなどのピアニスト、黒沼ユリ子さん、千住真理子さん、徳永二男さんなどのバイオリニストなども受賞されて多数の一流演奏家が現在も活躍されています。

「横浜市民賞」とは、3位までの入賞とは別に設けられている賞で、この賞を受賞した学生は翌年以降の「クラシック・ヨコハマ」と呼ばれる横浜市の音楽の祭典の数々のコンサートに出演の機会が与えられ、その後の将来に、演奏家としての道が開かれるという、人生をも左右される重要な賞です。

 毎年のことですが、今年も小学生といえども全国から選ばれた4年生から6年生の13人はレベルが高く気迫と熱気溢れた余裕のあるピアニストとしての演奏でした。

 会場は緊張感で張り詰めて、次々に舞台のピアノに向かう一人約10分間の演奏に固唾を呑んで聞き入っていました。プログラムには皆さんの将来の夢はピアニストと書かれているだけあり、どれだけの怠ることのない練習と鍛錬、努力、研鑽が積まれて此処まで来られたのかと、感動さえ覚えました。

ロビーで親御さんと一緒にいる皆さんを見るとまだ皆、可愛らしい小学生なのですが舞台でピアノを演奏する姿は大きく立派に思えます。鍛錬に培ったうえの堂々とした姿なのではないでしょうか。好きだけでは済まされないご家庭や親御さんの協力も並大抵ではないものを感じました。

 今年の1位はベルコヴィッチ作曲「パガニーニの主題による変奏曲」を弾いた東京の6年生の男の子でした。テクニックだけではなく大変、きちんとした音楽性が感じられた演奏だったと思います。

  私達、選定員が選んだ横浜市民賞を受賞されたのは、同時に3位受賞をした名古屋の5年生の女の子でした。リスト作曲「リゴレット(演奏会パラフレーズ)」を繊細なテクニックと音色にダイナミックな幅のある表現力で見事な演奏だったと思います。来年からヨコハマで素敵な演奏を聴くことが出来るのは嬉しいことです。

 学生さんの将来の人生をも左右する名誉な賞を決定するのは、責任あることで、今回で7年目になりますがいつも緊張感があり、又勉強になります。若いクラシック演奏家がこのヨコハマから育っていき、全国で活躍できるように巣立っていかれることでしょう。新たなレッスンのヒントなども十分に感じられた収獲ある時間でした。

 

           受賞者がロビーに張り出され、皆の歓声と涙の瞬間でした。

 

 

 

 

 

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