2021.01.16
小林仁先生 バッハ インヴェンション講座
先日開催の、オンラインセミナーにて、
「バッハ インヴェンション講座」
~演奏、指導の実際と楽曲分析 分析の結果を演奏にどう生かすか~」
の聴講に参加しました。
東京藝術大学名誉教授で、数々の国際コンクールの審査員を歴任され、
編曲や、フーガの研究でも著名な、
小林先生の大変、貴重なお話でしたが、
85歳になられた今でも、毎日バッハを練習されているそうです。
バッハは、難しく子供には、取っつきにくい印象がありますが、
本質をとらえることの大切さを、お話されました。
バッハは、理屈を超えた素晴らしい作品で、
モーツアルト、ベートーヴェンはもちろん、
リストやショパン等も、バッハが原点であること、
又、学生のバッハのコンクールや、音大入試のバッハ課題を演奏する際には、
厚化粧過ぎる、余計な強弱をつけすぎた演奏は
本来のバッハからは、かけ離れていることも、力説されました。
良い成績や評価を取る演奏が、バッハの本質から、
かけ離れてしまっていることに、気づかなくてはいけないのでしょう。
バッハインヴェンションは、小学生からでも、使用する教本ですが、
弾きこなすまでには、バッハの前段階の教材での勉強がとても、重要です。
バッハの時代の当時の楽器は、
チェンバロやクラヴィコードという楽器で、演奏されるために作曲されたので、
現代のピアノで演奏するには、ピアノ音楽に「翻訳」するという意識で、
演奏しなければ成り立たない、ということもお話されました。
奏法を変えるということです。
又、興味深かったお話では、
この時代の装飾音符は、書かれていない音でも、遊び方を考えて付けることで、
演奏家の芸術的センスが問われ、
ショパンなどの作品は、装飾音なしでは成り立たないですが、
バッハの時代では、書かれた装飾音は、必ずしも弾かなくてもよいという
違いがあるという事です。
バッハ自筆の原典版のインヴェンションの楽譜も、ご紹介され、
読み込む手助けになりそうです。
その他も、多くの、大変貴重なお話をお聞きしましたが、
指導者は、楽譜に書かれた音楽の本質を考えて、読み解くことで、
生徒さん達に、伝えることが出来ることを、
改めて気づかせていただきました。
これからも、シリーズで講座が開催されますので、次回も参加したいと思います。